衝撃のラストで完結した『カラーレシピ』
- 福介と笑吉のその後はどうなったのか
- 福介と笑吉は恋人関係になったのか
について本編から推測していきます。
今回の話はネタバレを含む記事になるので、笑吉の行く末をハラハラドキドキ楽しみたい人はご注意ください。
カラーレシピの本編のその後はどうなったのか
笑吉と福介は友達でもなく、かといって恋人でもない曖昧な関係のまま完結しました。
本編のその後を描いた書き下ろしの『カラーレシピ・トナー』でも、二人は相変わらずの関係性だったので、カラーレシピ本編後も笑吉と福介の関係は変わらないままです。
笑吉と福介のその後が分かるカラーレシピ・トナーを元に二人の関係を推測
その後の2人はどうなったのでしょうか?
本編完結後に掲載された描き下ろし『カラーレシピ・トナー』を元に考察してみましょう。
笑吉はまだ福介に対する恐怖心を払拭できていない
引用元:カラーレシピ・トナー
本編ラストで笑吉を自分の店へと招き入れた後、福介はワインを振る舞いつつ1人で店を経営する事の難しさを嘆き「手伝いにきてよ」と泣きつきます。
しかし「だめ」と一蹴されつつもそっと笑吉の手に触れますが、その瞬間笑吉は汗を滲ませ反射的に手を振り払うのでした。
この様子から、笑吉はまだ福介に対する恐怖心を払拭できていない事が推測できます。
福介は唖然としていますが、監禁までされた挙句に散々いたぶられれば当然でしょう。
笑吉は独善的なままの福介に失望
引用元:カラーレシピ・トナー
その後もう1回チャンスを求める福介に「ねえよ バカか」と切り捨てるものの、福介の悲痛な表情に動揺した笑吉は「たとえば全部思い通りになったら、満足して終わりなわけ?」と問います。
「どこまでいっても満足しない」「離れていくのが怖くて余計必死になるかも…」という福介の答えを聞いて、笑吉は理解できないものを見るような、困惑したような表情を浮かべました。
この表情から「自分を離さないためにこれ以上何をされるのだろう」といった恐怖心や、やはり独善的なままの福介に失望した事が推測されます。
福介の次なる策略
引用元:カラーレシピ・トナー
そして帰ろうとする笑吉に「また来てくれる?」と聞くも「さあな」と乗り気でない様子を悟った福介は、即座に笑吉の飲んでいたワイングラスをわざと落とし、笑吉に自分が割ったと思わせ弁償のために店へ通う事を冗談めかします。
笑吉は「ぜってーわざと割っただろ!」と怒りつつ、福介をゴスゴス殴ってコミカルに終結しました。
このシーンから、福介は本編と変わらず笑吉を完璧に手に入れる事を狙っており、「そのためには手段を選ばない」という姿勢も変わっていないと言えるでしょう。
本編で弱っていた様子も、笑吉の気を引く手段だったのではないでしょうか。
『カラーレシピ・トナー』から推測できるその後
『カラーレシピ・トナー』の内容から、今後も笑吉は福介に対する恐怖心はまだ強く残っており過去の行いも許したわけではないけれども、不器用ながらも自分のことを強く想い続ける福介を見放しきれずに世話を焼いてしまうのでしょう。
福介は本編から全く変わっていないように見えますし、笑吉の苦労はまだまだ絶えそうにありません。
つまり本編ラストからほぼ関係は変わらず、笑吉は福介の手管で丸め込まれそうになりながらなんとか抗おうとする、友達以上恋人未満の関係であると推測できます。
カラーレシピのあらすじとメインキャラのプロフィール
引用元:カラーレシピ
『カラーレシピ』は鬼才・はらだ先生による、技術はあるが無愛想で生真面目なスタイリスト・笑吉が、笑吉に並々ならぬ執着をみせるイケメンスタイリスト・福介に翻弄される様子を描いた作品です。
過去にはBLアワード2017コミック部門1位に選出されており、ドラマCD化もされています。
カラーレシピの登場人物のプロフィール
まずは本作でメインとなる2人のプロフィールを紹介します。
笑吉のプロフィール
引用元:カラーレシピ
- 名前:笑吉(しょうきち)
- ポジション:受け
- 年齢:25歳
- 好きなもの:カット
- 性格:強気・手が早い・寡黙・お人好し
寡黙だが技術はある美容師ですが、不愛想なことから客には指名変更されることも。
意外と面倒見が良くお人好しな性格のせいで、福介の異常性を知ってからも突き放しきれずに翻弄されることになります。
福介に絆されたり怒ったり時には怯えたりと、福介の手管にまんまと嵌ってしまう様子は見所です。
福介のプロフィール
引用元:カラーレシピ
- 名前:福介(ふくすけ)
- ポジション:攻め
- 年齢:26歳
- 好きなもの:カラーリング
- 性格:社交的・執着・裏表激しめ
元有名店勤務のイケメンスタイリストで、転職先で出会った笑吉に過度に執着しており、あの手この手で自分へ感情が向くように仕掛けます。
笑吉を手に入れるために手段を選ばず、一体どこまでが福介の計算なのか不安になる程の異常性は読者の心もゾッとさせるでしょう。
カラーレシピのネタバレあらすじ
カラーレシピは上下巻で構成されているので、それぞれのあらすじを紹介します。
上巻のあらすじ
スタイリストの笑吉が働く美容室に元有名店勤務のスタイリスト・福介が入社してから、2人は喧嘩や小競り合いが絶えません。
しかし次第に笑吉の周りで不気味な出来事が幾度も起き、その度に福介に助けられたり励まされるうちに段々と心を許すようになります。
そして「以前から惚れている」と福介に想いを告げられた笑吉は、ついに押し切られ身体まで許してしまうのでした。
ところが笑吉に起きた数々の事件は、全て笑吉の気を引くために福介が画策したものだったことが判明します。
笑吉はその事を知らないまま上巻は終わりを迎えました。
下巻のあらすじ
上巻から1年後、笑吉に異常な程の執着を持つ福介は手段を問わない方法で笑吉を手に入れたものの、まだ彼にとって1番の存在になれていないことに不満を抱いています。
笑吉を完璧に独占し支配したい福介は、笑吉を孤立させ自分以外の居場所を無くすために再び裏で手を回すのです。
そんな福介に少しずつ違和感を覚えた笑吉はついに今までの事件が福介によるものだと確信し、あまりに非道なやり方から自分を憎んでいるのかと問い詰めます。
しかし計画が上手く進まない事に苛立った福介は笑吉を数日間監禁し、今の職場を辞めて自分の開業する店に来ることを強制的に約束させてから復帰させるのでした。
復帰後も一向に店を辞める事を言い出せないどころか、恐怖心からまともに会話もできなくなった笑吉に福介が詰め寄ると、ついに「だいきらいだ!」「今はもう…こわいよ…」と泣きながら告げられてしまいます。
笑吉に拒絶された福介は「ごめんね」という言葉を最後に休職して笑吉とは距離を置きますが、1カ月後に音信不通になった福介を心配して笑吉は自宅を訪ねました。
しかしそこには以前の姿は無く、自暴自棄になって弱気な福介が寝込んでいたのです。
弱音を吐露しながらも「笑吉の事を欲しい」と言った事と、「2人で店をやろう」と言った事は嘘じゃないと泣く福介に、「(髪を)染めてやるからお店来いって…な?」と外に出るきっかけを作ってやります。
そして店を辞めることを店長に告げた福介は帰りがけに仕事仲間の龍来(りく)から、一連の出来事が福介の計画であることを指摘されるとあっさりと認めるのでした。
衝撃のラスト
引用元:カラーレシピ 下巻
やがて時が経ち、福介が夢を叶え自分の店をオープンした事を人伝に知った笑吉は、「いかない」と意地を張りながらも結局福介の店へと足を運ぶのです。
待ちわびた笑吉と再会した福介は「いらっしゃい しょーくん」と顔を綻ばせつつも、笑吉を中へ招き入れながら「さあ しきりなおしだ」と人知れず黒い笑みを浮かべるのでした。
カラーレシピのその後のまとめ
カラーレシピは、欲しいものを手に入れるために手段を選ばないサイコパスな福介とそれに翻弄される笑吉のサイコ・サスペンスBLです。
- 福介は一度は笑吉との関りを断つが、最後には再会する
- 書き下ろしでも笑吉は福介を突き放しきれないまま終結
笑吉を主人公とするならメリーバッドエンドとも言える結末を迎えるのでした。
一度ラストまで読んだ人も、一体どこからどこまで福介の計算だったのか予測しながら読み返すと、また違った楽しみ方ができるので、特に完全書下ろし「カラーレシピ・トナー」が載っている下巻は必見です。